肘はまだコリコリが残ってるものの、血液検査で炎症反応が見られず通院が終了となりました。河合塾京都校にいた英語講師島原氏に外見・喋り方共に非常によく似た医者ともお別れとなりました。

フレックス勤務なのをいいことに、昨日は午前のミーティング終了後に上野まで行ってきました。国立科学博物館でやってる企画展を見るためです。

「ガリレオの天体観測から400年 宇宙の謎を解き明かす」
http://www.kahaku.go.jp/event/2009/05astronomy/index.html
パンフレットもPDFで見れます

文系まっしぐらの嫁といってきたんですが、正直物足りない。
観測の原理的な「体験」とその観測から見出された知見をバランス良く見せる配慮がもう少しあった方が、より多くの人に満足してもらえるかも、という感想です。

スペクトルって専門家でないとピンとこないと思うんですがどうでしょう。
この分光技術を使って、どういう研究成果が出たのかをもっと前面にだした方がよかったのでは。

赤外線CCDで2種類の缶コーヒーを見たあとに壁にかかったオリオン座の写真にカメラを向けると、赤外で明るい天体の位置が赤るく見えるようにできている展示そのものは面白いと思いました。

説明のお姉さんがやってきて、写真の前にカーテンを引いても赤外天体は赤るく見えており、「例えば雲がかかっても見えるんですよ」的なことをいってたけどほんと?雲は赤外線源だからダメだと思うんですけど・・・
「目では暗い星でも赤外線で明るい星もあるんですよ」と指してくれた位置にはたしかにそのような星が。リゲルやベテルギウスも赤外で明るいようでしたが、連中は「黒体放射」で光ってると思うとまあ、当たり前。可視で暗く赤外線でやたら明るい星は、どういう星なんだと思っておねーさんに質問してみたけど、「目に見える光で光ってる星もあれば、ケータイの電波や赤外線のような目に見えない光で光ってる星もあります」といったさっぱりポイントを外した答えしか返ってきませんでした。もうすこし踏み込んで聞いてみようとしたら、「私は専門家じゃないのでわかりません、すみません」という結末。塵に包まれてて可視光が遮られているような原始星のようなケースかなあ。それこそ専門家じゃないのでわかりません。

すざくはパネル1枚。
衛星の模型とブラックホール(連星)のスペクトルが2つ載ってるだけでした。これはやる気がなさすぎる。はくちょう座X-1でGSO検出器の帯域までスペクトルがとれているのはたしかに素晴らしいんだけど、その道の人にしかわからないでしょう

ひのでゾーンは、太陽表面の黒点写真の上に砂鉄を置くと磁場の向きがわかるという展示。3次元的に見れるようになってたので少し気に入った。

かぐやのハイビジョン映像はきれいです。月の地平線からの地球の出が流れてましたが、背景にある星って全く見えないもんなんですね。地球が明るすぎるからということなんでしょう。

小惑星イトカワの模型の上に乗っかった「はやぶさ」の模型に笑いました。豆つぶ。

銀河形成などの重力多体系シミュレーションが黙々と上映されてました。なにかしらBGMがあった方がよかったとの嫁コメント。

で、結局、ガンマ線は完全にスルーです。ニュートリノは触れられていたのに。
まあノーベル賞ネタは知名度的にも強いってことですかねえ。日本はガンマ線の大型ミッションをやってこなかったことも効いてるんだと思います(あれ?某有袋類プロジェクトは?)。

「宇宙の謎を解き明かす」と題している割には、日本のミッション「しか」紹介していない点が不満ですね。海外ミッションでも主要な成果は紹介した方がよかった。あるいは表題に手を入れるか。


個人的に常設展示の方が楽しめてしまいました。
恐竜ゾーンにあった解説のスピーカからの音が、通路に沿った回転放物面の壁による反射で高い指向性をもって聞こえてくる仕掛けが非常に面白かった。あとはマイケルソンの干渉計とか、霧箱とか、初めて実物を見ることができて大興奮でした。

全体的に常設展は想像以上の規模で、また来てみたいと思いました。

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